お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。

私は悪い子


「お嬢さんどーしたの?」

「え?あ……」


ゆうくんと同じ黒いエプロンをした男の人に突然声をかけられてびっくりしたものの、レジの近くでずっとウロウロするのも変で。


「あの……えと、トイレは……?」

「こっち」

ニッコリと笑ったその人も、やっぱりかっこよくて。

何回も思うけど、やっぱりこのカフェは顔面偏差値が高い。


襟足が少し長めで、赤みがかった茶髪の男の人は先を歩いて案内してくれる。


「ここだよ」

そう言って振り返った男の人が連れてきた場所は厨房の隣の通路。


わわっ……!

すぐ近くだったんだ!!


レジの方まで行ってしまった自分が恥ずかしくて、勢いよく頭を下げた。


「あ、ありがとうございます!!」

「いーえ」


ニッコリ笑った男の人は、それだけ言って厨房の中に入って行った。


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