お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
「ひっどいなぁ。これどう見てもデートじゃん。2人っきりじゃん」
「ちーがーうー。お昼一緒に食べただけだもん」
私も意地になって反論してたら──……
ブーブーブーブー
再び蓮くんのスマホが震え出した。
一瞬だけスマホを見て、蓮くんを見ると、まったく気にしていないのか私の顔を見てて。
「なら今からどっか行く?」
なんて言ったんだ。
「……え?ちょ、」
待って。
鳴っているのは蓮くんのスマホで。
無視する蓮くんに、私の方が混乱してしまいそう。
対した用じゃないって言ってたけど、そんなすぐ掛かってくるんだったら急用なんじゃ……?
鳴り止まないバイヴにもう1度視線を移すと、蓮くんはスマホを隠すように手を上に乗せた。
「ちょっとうるさいね」
ニッコリ笑ってるのに、なんだか黒いオーラが見えるような……いつもの蓮くんの笑顔じゃない。