お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
ニッコリ笑って見せるけど、ゆうくんがジーッと私を見つめてきた。
それが、何だか見透かされてるような気がして。
作った笑顔が、もしかしたらバレてるんじゃないかって。
引きつってるんじゃないかって思って。
……私は逃げるように背を向けた。
「疲れちゃったから、今日はもう寝るね」
それだけ伝えて寝室に向かう途中、私を呼ぶ声が聞こえた。
ピクリと、ほんの少しだけ反応したかもしれない。
だけど。
だけど今は……
アツミさんと楽しそうに電話をしてたゆうくんと、一緒にいたくなくて。
聞こえてないフリをした私は、そのまま振り返ることもなく寝室の中に入った。
部屋の電気を消して、何もやる気が起きなくて。
無気力のまま布団の中に入った。