お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
「割と真面目な話」
蓮の“割と”は、かなり大事な話だ。
現に表情が変わって真顔になっている。
「何の話?」
「陽葵ちゃんの話」
その言葉にドクンと心臓が音を立てた。
何となく、元気が無い理由がそこにある気がして……。
「場所変える?」
「んー……そうだな」
* * *
「陽葵の話ってどう言うこと?」
人通りが少ない店の裏口に移動して、壁に寄りかかる蓮に問いかけた。
「そんな怖い顔して見んなって」
勿体ぶってハハハと軽く笑う蓮を睨む。
「最近の陽葵ちゃん、どんな感じ?」
「は?普通だけど」
空笑いする陽葵を思い出したけど、何か余裕ぶっこいた顔をする蓮にムカついて、ついつい隠してしまった。
それに、別に言わなくてもいい事。