お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。

でも、もし、それが嘘だったら?


俺が、嘘をつかないといけない理由にさせていたら?




……最悪だ。


不安にさせて寂しかったと思う。




「はぁぁ……」

情けなくて身体の力が抜ける。

ゆっくりとその場にしゃがみ込んで、また大きいため息が漏れた。



「あともう1個だけ教えてやるよ」

隣に座った蓮が俺の肩を叩く。



「……」

「それでも陽葵ちゃんは祐介以外、好きになる人はいないって言ってたぞ」



その言葉に目頭が熱くなる。


まじで何してんの?俺。



こんなに健気に想ってくれてるのに。


俺だってそうだ。

てか、初めから陽葵しか見ていない。


陽葵以外好きになる人はいない。





ブーブーブー

ポケットに入れてるスマホが震える。


< 429 / 493 >

この作品をシェア

pagetop