お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
蓮に会う前にセットしたタイマーが、休憩時間が終わったことを知らせる。
立ち上がる俺に続くように蓮も腰を上げる。
「秘密だからな」
背中からそう聞こえ、返事をするように右手を軽く上げた。
「……サンキュー」
バタンッとドアを閉めてその場に立ち止まると、またため息が溢れた。
早く、陽葵に会いたい。
* * *
「お疲れ様です」
裏口から出ると星が見えるくらい薄暗くなっていた。
今日に限って長引くんだもんな。
早く陽葵に会いたくて、早足で駅に向かう。
最寄り駅から出ると見覚えのある姿に、見間違いかと思った俺は一瞬目を細めた。
そいつは俺を見つけるなり、軽く頭を下げて目の前に来る。