お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
「ども」
暗めの茶髪。
たしか、陽葵のことを好きって言っていた……
「槇田です。槇田光瑠」
あぁ、そうだ。光瑠くんだ。
「実は祐介さんに話があって」
その言葉に驚きを隠せなかった。
接点の無い光瑠くんが……俺に……?
「何の用?」
「単刀直入に言います。陽葵を不安にさせてるんなら俺が奪います」
一瞬何を言ってるのかわからなかった。
「祐介さんのブランク期間……5年、俺は陽葵といました。例え幼なじみでも負ける気しません。俺は祐介さん以上に陽葵のことを知ってると思います」
だから言葉を続ける光くんに、反応が遅れてしまったんだ。
別に何も言えなかった訳じゃない。
「悪いけど、渡すつもりはないよ」
ニッコリ笑ってそう伝えると、俺の笑顔が気に食わなかったのか光瑠くんがギロリと睨む。