お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。

「やめた」

陽葵から離れて、掴んでいた手も解放する。


「……え?」

不安そうに俺を見つめる陽葵は……やっぱり可愛い。


イジワルする俺を許して。



「陽葵からキスして」

「……えっ!?」

目をまん丸にして驚く陽葵。


そりゃそうだろうな。

陽葵からキスしたこと、無いから。



「陽葵からのキスが欲しい」

「え、あ……う」


困らしてるのは承知の上。


ちょっとだけ……煽ったお仕置きをさせて。



「ほら、早く」

そう言って目を閉じてみるも、(うめ)くだけでなかなか俺に近付いてこない。



「陽葵からキスしてこないと、もう俺からしないよ?」

そんな意地悪なことを言ってみたりもして。


「うぅ……」

「俺とキスしたくない?」


首を小さく横に振った陽葵。


そこは素直なんだ。


可愛い。


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