お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
「あ、あの……」
「行こ」
ニッコリ笑うアツミさんに無言で頷いた。
もうすぐ夏休みが終わるって言っても、夏が終わるわけじゃないから日差しが強くて影を歩かないと暑いくらい。
ただただ足元を見ながら、どこにあるかわからないケーキ屋を目指して歩き続ける。
「祐介どお?」
「え……?」
“どお?”とは??
「優しい?」
「あ、はい。優しいです。すっごく」
私の返事にアツミさんはクスッと笑った。
「私さ、昔祐介と付き合ってたんだけど……すっごくクールだったんだぁ」
クール……。
たしか蓮くん達とバーベキューした時もそんなこと言ってたっけ。
私がいつもわがままばっかり言ってるからかな?
クールなゆうくんは見たことなくて。
「優しくて、ここに行きたいって言ったら連れて行ってくれたの」