お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
じゃあどこ探しても見つかるわけがない。
うぅ……。そんなぁ。
絶対に聞こえるはずがないけど、助けを求めるように心の中でゆうくんの名前を呼んだ。
* * *
「ごめん、陽葵。気を利かせてしまって」
「ううん。全然」
あれからゆうくんの寝室?に布団を運んで、3人でテーブルを囲うように座った。
「むしろ、麦茶でもよかった……かな?」
結局見つからなかったから、冷蔵庫に入ってた麦茶を出すことにしたんだけど……やっぱりそれで大丈夫だったのか不安で。
ゆうくんとおばさんの顔を交互に見た。
「何でもいいのよ、ありがとう」
ニッコリと微笑むおばさんは、ゆうくんに似てとっても優しい。
「どう?陽葵ちゃん、昨日は寝れた?」
昨日……。
それが“全く記憶がないくらい爆睡してました”なんて言えるはずもなく。