お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
私が最後に見たゆうくんは黒髪だった。
……違ったらどうしよ。
「見過ぎ」
そう言ったゆうくん?らしき人は目を逸らした。
ほんのり赤く染まる頬は夏の暑さか、それとも私が見すぎてしまって恥ずかしかったのか。私にはどっちかわからなかった。
「あ、えと……人違いだったらどうしようかと……。ゆう……すけ、くんですか?」
驚いたのか、一瞬目をまん丸にした彼はニッコリと微笑んだ。
「そうだよ。久しぶり陽葵」
はわわわっ……!
この笑顔、昔よく見た。
紛れもなくゆうくんだっ!!
「綺麗になったね」
ゆうくんだ!ゆうくんだ!!
ずっと会いたかった。
「ゆうっ……すけ、くんこそ……」
“かっこよくなった”って言いたかったけど、昔みたいに“ゆうくん”って呼んでいいのかわからなくて、語尾が小声になる。