お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
「ふふ、甘いものはチョコレートだけよ。あとは苦手なの」
そうなの。
中学生のあたりから、ゆうくん甘いものがあんまり得意じゃなくなって。
だからチョコレートだけは好きなんて、正直ビックリしてる。
「ふふ」
「??」
気のせいかと思ってたけど、おばさん……笑ってる?
さっきからずっと笑ってる気がする。
「良いこと聞きたい?」
「良いこと?」
コクンと頷けば、おばさんはより一層笑顔になった。
と、言うより……ニヤけてる?
「陽葵ちゃん、昔祐介にバレンタインのチョコあげたの覚えてる?」
コソッとワントーン声を落としたおばさん。
「??」
ゆうくんに聞かれたらマズいことなのかな?
私も声を出さずに頷いた。
初めてバレンタインのチョコをゆうくんにあげたのは私が小3の頃。