お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
「ほんと、頼むから余計なこと喋んないで」
もう1度深いため息を吐いたゆうくんは、若干呆れてて。
バチッと私と目が合った。
「今の忘れて」
「えっ……」
視線を逸らすゆうくんの顔がちょっぴり赤くなってる気がした。
な……に、その顔。
ずるい。
そんなゆうくんを見てしまったら、また胸がドキドキしちゃう。
だから、
「い、いやっ……!」
そう、口にしてしまった。
そんなの、忘れたくない。
“ゆうくんガトーショコラ好きなの?”
“うん。まあ”
あのとき何でゆうくんが照れたのかわからなかった。
返事もどこか濁してるようで。
何か……彼女からサプライズ的な特別なことがあったのかなって、そう思ってた。
だけど、もし。
私があげたチョコレートのことを思い出して──照れてたら?