お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。

毎年、私からのチョコレートを待ってたとして。

それがゆうくんからのアピールだったとしたら……?


あの話を聞いてしまったら、いくらでも自分の都合の良いように考えてしまう。


だって、

今も、あの時も

───同じように照れてるから。



「私、今年は作るからっ!バレンタイン!」

なんでかわかんないけど、胸がドキドキする。


「とびきり美味しいの作って……1番にゆうくんにあげるね!」


だけど、どこか、ワクワクするような嬉しいような。そんな気持ちも混ざり合ってる。


“今年のバレンタインはゆうくんに作れる”って。

ずっと渡せなかった。

特別な……チョコレート。


「楽しみにしててねっ!」

いろんな気持ちが混ざり合って、ちょっぴり照れ臭くなった。

だからニコーッと笑ってみせた。



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