お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。

「本当。だから機嫌直して?」

優しく笑うゆうくんに、あの頃の懐かしさを思い出して怒るのをやめた。


「へへっ。許す」

自分で自分が単純だと思う。

だけど、久しぶりにゆうくんに会えたという気持ちに、身体中が喜ぶようにふわふわして。

その感情が溢れた私はゆうくんに抱きついた。



お母さんに手土産って持たされた紙袋がガサッと音を立てる。


「あ、ゆうくん。これお母さんが持って行けって」

「ん。ありがと」


ゆうくんと一緒にアイス食べるなんて小学生以来だよ。

嬉しいっ!!


もう1度ギュッと抱きしめて。

パサッと麦わら帽子が地面に落ちた。



「甘えん坊。暑かっただろ?」

優しい声と頭を撫でるゆうくんに胸がキュンってした。

ゆうくんだ、ゆうくんだ。


私の大好きなゆうくんだ。



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