お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。
「ねぇ、光瑠くんっ!待ってよ……!」
「……」
「光瑠くんってば!」
「うるさいなぁ。送るって言ってんだから黙って……あ」
「へ?」
パッと目を逸らした光瑠くんは、口を押さえたまま固まってしまった。
まるで失言してしまったっていうような、そんな表情。
もしかして、光瑠くんの言う“心配”って私に対して……だったの?
おかしいなって思ったもん。
光瑠くんが材料の心配をするなんて。
ポコッと痛くない力で光瑠くんを殴った。
「もうっ!光瑠くんはいっつも一言多いんだから……!」
「いって。何が」
素直に送るって言ってくれたらいいのに。
でも……。
「ありがと」
「だから何が」
「ううん、何でもない。行こっ」
ほんと、素直じゃないなぁ。光瑠くんは。