お兄ちゃん系幼なじみと同居することになりました。

  * * *

電車に揺られること数分。

改札口を出た途端、光瑠くんが物珍しそうに辺りを見渡した。


「こんなところから来たんだ?」

「うん、意外と遠いでしょ?」


えへへと苦笑いを見せる。


「で、どこの店行くんだよ?」

「こっち」

手招きするように光瑠くんを呼んで駅を後にする。


初めてこの駅を降りたとき、知らない街が珍しくて光瑠くんと同じようにキョロキョロと辺りを見渡した。

そのときに、駅から少し行った所にスーパーがあるのが見えて。

ここの土地勘が無いから覚えておこうって思ったんだ。


「駅の近くにスーパーがあるの見つけたの」

「へぇ……てか、陽葵って料理とかできんの?」

「えっ、できるよ。一応」

「一応って何だよ」

「一応は一応っ!」


得意ではないけど、できないわけじゃないもんっ……!


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