チョコレートが好きな君
「桜、付いてるよ。」

男の子の声が聞こえ、ふわりとした感触が頭に伝わる。

彼の方に振り向く。そして、目が合った。

君は、少し色素の薄い目、ミルクチョコレートの様な髪色をした男の子だった。

そんな君が、ふわりと微笑む。

一目惚れだった。

柔らかい目で微笑む君が、あまりにも綺麗で、かっこよくて…。

「僕、中野健人っていうんだ。
席隣なんだね。1年間よろしく。」

そう言われた日のことを、今でも昨日のことのように覚えている。
< 2 / 19 >

この作品をシェア

pagetop