君とゆっくり恋をする。Ⅱ【第6話完結しました】(短編の連作です)
「あれ?河合は?」
男性メンバーの一人が尋ねる。
「河合は俺の代わりに雑用をしに、ちょっと会社に寄って来ることになってるから、もうすぐ来るよ。ほかのメンバーはそろってるから、先に始めよう」
鳥山の一声で、河合が来るのを待たずに合コンは始まった。飲み物が運ばれて、乾杯が行われる。それから、自己紹介が始められた。
鳥山がチョイスした河合を除くあとの二人は、鳥山ほどイケてはないが、そこそこの見た目とそこそこの振舞いのできる営業1課の精鋭たちだ。どちらも無駄のない洗練された自己紹介をした。
「総務2課勤務で、冬にはちょっとだけ営業1課さんにもお世話になった片桐結乃です。鳥山さんに誘われて女子の方の取りまとめ役をさせていただきました。今日はこんな素敵な場所をセッティングしてくださって、ありがとうございます。楽しみたいと思います。よろしくお願いします」
最後に、結乃が彼女らしい気さくな挨拶をすると、鳥山はにっこりと自分の魅力を惜しみなく溢れさせて声をかける。
「結乃ちゃん!素敵な女の子たちを連れて来てくれてありがとう!今日はみんなで親睦を深めて、楽しもうね!」