君とゆっくり恋をする。Ⅱ【第6話完結しました】(短編の連作です)
——ああ、俺。くそカッコ悪い……。
結乃をエスコートするどころか、こんな風に介抱されるなんて。
こんなことになるなら、結乃はあの合コンの場にいた方がよかったのかもしれない……。
——いや、ダメだ。あそこには鳥山がいる。
だからこそ、一刻も早く酔いを覚まして、結乃をエスコート……ではなく、結乃に迷惑をかけないようにしなければ。
敏生は結乃が戻ってくるまでに、なんとしても正気を取り戻したかった。
けれども、依然として頭の中では早鐘が打たれている。意思に反して、体にも力が入らなくなる。敏生の体はベンチの上に倒れ込み、そのまま意識も遠のいていった。