White Snow3  前野晴久の苦悩
「智花は男心が分かってないよね」

そう言って梅原さんは智花が座っていた席に移動してきた。
俺の目をじっと見てくる梅原さんを見て、ああこれが男の色気というやつかと思った。

梅原さんは智花にもこの目を使うのだろうか?
だから、俺にこうやって牽制を仕掛けてくるのか?

まるで自分の方が智花にふさわしいとでも言うかのように。


年下だからって舐めてんじゃねえぞ。
智花は俺の彼女だ。
取引先だって関係ない。
俺から智花を奪おうなんて思ってるんだったとしたら、絶対に許さない。


俺は見つめてくる梅原さんの目を睨み返した。


梅原さんが俺の肩に触れる。
梅原さんの薄ら笑う微笑みに飲まれそうになるのぐっと耐えて、睨み返した。



梅原さんは微笑みを消して、俺をじっと睨んだ。




智花を奪い合い、睨み続けていると・・・・
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