お兄ちゃんなんて呼びたくない
それは、結局私は妹みたいな存在としか見れていないって言っているようなものだ。

俺の恋愛対象には入らないぞって、言われているのと同じだ。

「紗千に航お兄ちゃんって呼ばれるの、好きだったからさ」

ブランコに腰掛けた航くんはなんの悪気もなく話す。

「航くんが、そう呼んで欲しいなら、戻すよ」

涙がこぼれそうになるのを堪えて、ぐっと下唇を噛む。

こんなの、あり?

明日告白しようと思ったのに、こんなのって。
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