お兄ちゃんなんて呼びたくない
でもそれはそれで虚しい?

どうするべきなんだろう。

「それ俺のだから。お前にはあげられないから」

悩んでいると、私の手を取った人が言った。

この声も、この手の感じも、全部知っている。

大好きな航お兄ちゃんだ。

「あんた誰?」

不振そうな目で航お兄ちゃんを見る。

私も頭の中がはてなマークでいっぱいだった。

「紗千の幼馴染です。行くよ」
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