お兄ちゃんなんて呼びたくない
私が今さっき渡したばかりの紙袋を片手に、手を振って自転車に乗る。

どんどん遠ざかっていくその背中に、少し寂しくて残酷な現実を感じる。

好きって言葉の意味は実は通じているけど、迷惑だから気付かないふりをしているのかもしれない。

もしかしたら、高校に彼女がいるのかもしれない。

小さくなる背中は、私たちの未来の距離を現しているようにも見えた。
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