COMPLEX
「まだまだ流行ってるし、マスクするのもしないのも自由でしょ。イチイチ干渉しないで」

普段、女子社員の間ではおとなしい私だが、3歳下の中津川には強気に出られるのも不思議な話だ。

現に、私にこんなキツイ言い方しても「へーい」と短く返して、ニコニコ笑っている。

・・・変な奴。

「あっ、熱中症には気を付けてくださいよ。外では外した方がいいですよ。」

「それが干渉なの!」

あームカつく。私は奇異の目で見られるのが、本当に嫌いだ。

このニキビを隠せるならば、暑い中でのマスクなんて我慢できる。

エレベーターをそそくさと降りようとした時、

「だって、心配なんですよ。小雨さんのこと」
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