開けずの手紙ー完全版ー/長編呪い系ホラー【完結】
その2
「まず、鬼島則人の開けずの手紙を媒体とした呪いの発信先はお父さん以外にもいた。これが俺も含め、鷹山さんと国上さんの今の時点での描く確信的結論です。その上で、この女子高生が何とも残酷な言い方だが、開かずの手紙をノルマ分を架空の住所へ送ったことで、死ねた…。このことは、呪いを拡散する対象の配達先へ届かなくても、それは有効となる。これをまずは結論付けました」
「と言うことは…、自己の命を自ら断つことで呪いを次の連鎖、拡散を防ぐ途はあったと…。そういことですね?」
「ええ。奈緒子さん…、その前提なら、今例の手紙を受け取った人が全員、手塚さんの対応を取れば、鬼島の放った呪いのパンデミックは断つことが可能になる…。まずは…」
「わかりました。…では、その他では?」
***
「丸島の受け取った手紙に着いた血のりはあれ以降、”動かなかった”…。国上さんは丸島の死以降、念じ込みは行わなかったんです。丸島は結果的に、水野さんを呪い相手に選んだことで、彼自身に課せられた呪鎖は断ちきった。これは、鬼島の呪い限界値を示していることなるとね」
「なるほど…。鬼島という人の呪いのノルマは結果ではなく、その過程で留まるってことですね!」
「まあ、悪魔で今の段階での仮説ってとこですがね。でも、」希望の光はいくつも我々に差してる…。奈緒子さん、これからは鬼島のその限界値をさらに引き出す作業が重要だと、鷹山さんらは踏んでいます。そこで…」
「はい!やりましょう…」
奈緒子は躊躇なく、そう断言した。
「まず、鬼島則人の開けずの手紙を媒体とした呪いの発信先はお父さん以外にもいた。これが俺も含め、鷹山さんと国上さんの今の時点での描く確信的結論です。その上で、この女子高生が何とも残酷な言い方だが、開かずの手紙をノルマ分を架空の住所へ送ったことで、死ねた…。このことは、呪いを拡散する対象の配達先へ届かなくても、それは有効となる。これをまずは結論付けました」
「と言うことは…、自己の命を自ら断つことで呪いを次の連鎖、拡散を防ぐ途はあったと…。そういことですね?」
「ええ。奈緒子さん…、その前提なら、今例の手紙を受け取った人が全員、手塚さんの対応を取れば、鬼島の放った呪いのパンデミックは断つことが可能になる…。まずは…」
「わかりました。…では、その他では?」
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「丸島の受け取った手紙に着いた血のりはあれ以降、”動かなかった”…。国上さんは丸島の死以降、念じ込みは行わなかったんです。丸島は結果的に、水野さんを呪い相手に選んだことで、彼自身に課せられた呪鎖は断ちきった。これは、鬼島の呪い限界値を示していることなるとね」
「なるほど…。鬼島という人の呪いのノルマは結果ではなく、その過程で留まるってことですね!」
「まあ、悪魔で今の段階での仮説ってとこですがね。でも、」希望の光はいくつも我々に差してる…。奈緒子さん、これからは鬼島のその限界値をさらに引き出す作業が重要だと、鷹山さんらは踏んでいます。そこで…」
「はい!やりましょう…」
奈緒子は躊躇なく、そう断言した。