開けずの手紙ー完全版ー/長編呪い系ホラー【完結】
その4
「あのう…、要は、状況を見て改善を重ねていけばいい話ですから、あくまでとりえずは即設置っていう方針は緊急性を優先して、この場で決してはと思います」
その後、武藤寄りの発言もあったが、それでも慎重よりスピード優先やむなしという論調が優勢だった。
「皆さんの意見も大体はわかりましたので、この場での結論として、野坂先生の提案を基本モデルとした生徒への対応措置は、何しろ緊急性を要する点を鑑み、校長の同意を前提として賛同いただける方、挙手いただけますかな?」
挙手を留保したのは、武藤の他に二人いたが、その場では奈緒子の提案が原則受け入れられた形となった。
***
そして、その翌日…、奈緒子は和田の車の同乗し、父丸島とは高校時代の同級生であった水野洋輔と会うため、都内某所に向かっいた。
3人が落ち合ったのは、ビジネスホテルのパーラウンジだった。
「いやあ…、水野さん、この度はお忙しいところお呼び出しして申し訳ありません。私は丸島とは教師仲間だった和田、こちらが丸島の娘さんで野坂奈緒子さんです」
「野坂です…。水野さん、父の件では色々とご迷惑おかけして、言葉もありません。どうかお許しください…」
奈緒子は長身の水野に向かって、しばらく頭を深く下げていた…。
「ああ、野坂さん、頭は上げて下さい。水野です。和田さんからは諸々伺ってますので、今日はなんでも話しますから…。よろしくお願いします」
「こちらこそどうか、よろしくお願いいたします」
ここで3人は丸テーブルを囲うように席に掛けた。
”さあ…、丸島の見立て通り、見事百夜殺しを完封した水野氏から、話を聞くぞ。おそらく、いろんなことがわかるはずだ…”
かくて、因果な巡り合わせとなった3人は、故丸島友也が水野に宛てた”開けずの手紙”に関する深層に切り込むこととなる…。
「あのう…、要は、状況を見て改善を重ねていけばいい話ですから、あくまでとりえずは即設置っていう方針は緊急性を優先して、この場で決してはと思います」
その後、武藤寄りの発言もあったが、それでも慎重よりスピード優先やむなしという論調が優勢だった。
「皆さんの意見も大体はわかりましたので、この場での結論として、野坂先生の提案を基本モデルとした生徒への対応措置は、何しろ緊急性を要する点を鑑み、校長の同意を前提として賛同いただける方、挙手いただけますかな?」
挙手を留保したのは、武藤の他に二人いたが、その場では奈緒子の提案が原則受け入れられた形となった。
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そして、その翌日…、奈緒子は和田の車の同乗し、父丸島とは高校時代の同級生であった水野洋輔と会うため、都内某所に向かっいた。
3人が落ち合ったのは、ビジネスホテルのパーラウンジだった。
「いやあ…、水野さん、この度はお忙しいところお呼び出しして申し訳ありません。私は丸島とは教師仲間だった和田、こちらが丸島の娘さんで野坂奈緒子さんです」
「野坂です…。水野さん、父の件では色々とご迷惑おかけして、言葉もありません。どうかお許しください…」
奈緒子は長身の水野に向かって、しばらく頭を深く下げていた…。
「ああ、野坂さん、頭は上げて下さい。水野です。和田さんからは諸々伺ってますので、今日はなんでも話しますから…。よろしくお願いします」
「こちらこそどうか、よろしくお願いいたします」
ここで3人は丸テーブルを囲うように席に掛けた。
”さあ…、丸島の見立て通り、見事百夜殺しを完封した水野氏から、話を聞くぞ。おそらく、いろんなことがわかるはずだ…”
かくて、因果な巡り合わせとなった3人は、故丸島友也が水野に宛てた”開けずの手紙”に関する深層に切り込むこととなる…。