開けずの手紙ー完全版ー/長編呪い系ホラー【完結】
その5
”それ”とは、三浦美咲が部活を終えて自宅へ着いた直後に、いきなり対面することなる。
「ただいまー」
「おかえり。…ああ、今しがたポスト見たらあなたに手紙が1通届いてたわ。ハイ、これ」
「うん…」
美咲はとりあえず母からその封筒を受け取ると、そのまま階段を上がって自分の部屋へ戻った。
そして早速、手にした”それ”を両面、確認すると…。
”えっ?戸田アキホって…。あの戸田さんから私への手紙ってこと?”
何気ない1通の自分宛の手紙に、この時の美咲はハテナマークが浮かんでいた。
その理由は、昨日のクラスメートとの会話にあった。
***
「じゃあ、美咲は戸田さんのお通夜行かないの?」
「うん…、去年クラスは一緒だったけど、親しいって関係じゃなかったし。マミは行くの?」
「私は中学から一緒だったからね。行かない訳にはいかないし。でもさ…、びっくりだよね。先週は彼女と同じクラスの女子が飛び降りで自殺しちゃったばかりなのに…」
この時、二人は”その先”の話には至らなかった。
おそらくは二人とも同様の思いから…。
”いよいよ、ウチの学校も連鎖自殺の波がやってきたか…。次は一体誰が自ら命を断つんだろう…”
近頃は、こんなことを心の中で呟く中高生が溢れかえっていた。
そう…、ここ東京西部の中学高校は、まさに連鎖自殺のメッカとして、生徒間でも周知の事実だったからである…。
***
そんな一抹の不安感が頭によぎっていた、その翌日…、なんと、この時話題に上った当事者、戸田アキホから自分宛てに封書が届いたのだ。
つまり、先週末に首を吊って自殺し、すでにこの世にいない同じ学校の同級生から…。
”なんでよ!なんなのよ!”
ハテナマークの次は、当然、この言葉が頭の中で連発した。
さらに…、封筒の裏面上部、封を閉じてある箇所には赤いシミが滲んでいるではないか…。
すでに死んでる同級生からの赤イシミ付きの手紙…。
この客観的事実だけで、美咲の頭の中をその疑問と不安が占領したのは言うまでもなかった…。
”それ”とは、三浦美咲が部活を終えて自宅へ着いた直後に、いきなり対面することなる。
「ただいまー」
「おかえり。…ああ、今しがたポスト見たらあなたに手紙が1通届いてたわ。ハイ、これ」
「うん…」
美咲はとりあえず母からその封筒を受け取ると、そのまま階段を上がって自分の部屋へ戻った。
そして早速、手にした”それ”を両面、確認すると…。
”えっ?戸田アキホって…。あの戸田さんから私への手紙ってこと?”
何気ない1通の自分宛の手紙に、この時の美咲はハテナマークが浮かんでいた。
その理由は、昨日のクラスメートとの会話にあった。
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「じゃあ、美咲は戸田さんのお通夜行かないの?」
「うん…、去年クラスは一緒だったけど、親しいって関係じゃなかったし。マミは行くの?」
「私は中学から一緒だったからね。行かない訳にはいかないし。でもさ…、びっくりだよね。先週は彼女と同じクラスの女子が飛び降りで自殺しちゃったばかりなのに…」
この時、二人は”その先”の話には至らなかった。
おそらくは二人とも同様の思いから…。
”いよいよ、ウチの学校も連鎖自殺の波がやってきたか…。次は一体誰が自ら命を断つんだろう…”
近頃は、こんなことを心の中で呟く中高生が溢れかえっていた。
そう…、ここ東京西部の中学高校は、まさに連鎖自殺のメッカとして、生徒間でも周知の事実だったからである…。
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そんな一抹の不安感が頭によぎっていた、その翌日…、なんと、この時話題に上った当事者、戸田アキホから自分宛てに封書が届いたのだ。
つまり、先週末に首を吊って自殺し、すでにこの世にいない同じ学校の同級生から…。
”なんでよ!なんなのよ!”
ハテナマークの次は、当然、この言葉が頭の中で連発した。
さらに…、封筒の裏面上部、封を閉じてある箇所には赤いシミが滲んでいるではないか…。
すでに死んでる同級生からの赤イシミ付きの手紙…。
この客観的事実だけで、美咲の頭の中をその疑問と不安が占領したのは言うまでもなかった…。