開けずの手紙ー完全版ー/長編呪い系ホラー【完結】
呪いマニアの正体②
玄関ドアから飛び出してるその顔は、目の前の和田とその後ろの奈緒子を交互に目をやり、10ほど黙っていた。
「あのう…」
思わず、和田が先に声を出すと、彼女は口を開いた。
「則人とはどういう関係ですか?」
「我々二人は教師です。高校の…。今日はその関係で…」
和田は膝を折り、母親らしき顔の目線に高さを近づけて丁寧に答えた。
”さあ、これでどうだ…”
和田も奈緒子も、この次のリアクションで展開が決すると咄嗟に感じた。
***
「用件は何ですか?」
これはカウンターだった。
さすがにここでは和田も一旦後ろを振り向き、奈緒子と目でやりとりをしてから、答えることにした。
この時点では、奈緒子も至って平静で、要は和田に対応を一任という表情だった。
和田は再度、家の主に顔を向けた後、手にしたカバンの中から丸島に届けられた最初の手紙の原本を封筒ごと掴み取った。
そして、2歩前に出ると、母親らしき女性へ封筒の裏面をかざすように差し出した。
「これは6年前に届いたものですが、最後に届いたのは、息子さんがなくなった数日後でした」
ここで彼女は両の目をクワっという感じで見開きいたのを、和田は見逃さなかった。
「家ん中は散らかったおりますんで、玄関でよろしければ、入って下さい」
母親らしき年配女性は和田にそう言うと、玄関ドアを開いた。
”ふう…、とりあえず話が聞けのるか…”
和田は大きくため息をついて、後ろの奈緒子を促しながら玄関の中に入った。
***
「父親はおりませんので、私一人ですが、よろしいですか?」
「ええ…、則人さんのお母さんでよろしいですね?」
「はい。まあ、こんなとこですいませんが、座って下さい」
母親はすでに玄関框に正座していた。
「では失礼して…」
「失礼いたします…」
和田と奈緒子はとにかく落ち着いていた。
目の前にいる年配の女性は、明らかに二人にとって大切な人の命を不条理かつこの上なく残酷に命を奪った男のおそらくは実の母親だ。
憎くないと言ったらウソになる。
ただし、この女性に罪はない…。
二人のこの時のメンタルは端的であった…。
そして、和田と奈緒子は、鬼島則人の本質を覗きとるこの作業が未知なる遭遇になる予期していた…。
玄関ドアから飛び出してるその顔は、目の前の和田とその後ろの奈緒子を交互に目をやり、10ほど黙っていた。
「あのう…」
思わず、和田が先に声を出すと、彼女は口を開いた。
「則人とはどういう関係ですか?」
「我々二人は教師です。高校の…。今日はその関係で…」
和田は膝を折り、母親らしき顔の目線に高さを近づけて丁寧に答えた。
”さあ、これでどうだ…”
和田も奈緒子も、この次のリアクションで展開が決すると咄嗟に感じた。
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「用件は何ですか?」
これはカウンターだった。
さすがにここでは和田も一旦後ろを振り向き、奈緒子と目でやりとりをしてから、答えることにした。
この時点では、奈緒子も至って平静で、要は和田に対応を一任という表情だった。
和田は再度、家の主に顔を向けた後、手にしたカバンの中から丸島に届けられた最初の手紙の原本を封筒ごと掴み取った。
そして、2歩前に出ると、母親らしき女性へ封筒の裏面をかざすように差し出した。
「これは6年前に届いたものですが、最後に届いたのは、息子さんがなくなった数日後でした」
ここで彼女は両の目をクワっという感じで見開きいたのを、和田は見逃さなかった。
「家ん中は散らかったおりますんで、玄関でよろしければ、入って下さい」
母親らしき年配女性は和田にそう言うと、玄関ドアを開いた。
”ふう…、とりあえず話が聞けのるか…”
和田は大きくため息をついて、後ろの奈緒子を促しながら玄関の中に入った。
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「父親はおりませんので、私一人ですが、よろしいですか?」
「ええ…、則人さんのお母さんでよろしいですね?」
「はい。まあ、こんなとこですいませんが、座って下さい」
母親はすでに玄関框に正座していた。
「では失礼して…」
「失礼いたします…」
和田と奈緒子はとにかく落ち着いていた。
目の前にいる年配の女性は、明らかに二人にとって大切な人の命を不条理かつこの上なく残酷に命を奪った男のおそらくは実の母親だ。
憎くないと言ったらウソになる。
ただし、この女性に罪はない…。
二人のこの時のメンタルは端的であった…。
そして、和田と奈緒子は、鬼島則人の本質を覗きとるこの作業が未知なる遭遇になる予期していた…。