開けずの手紙ー完全版ー/長編呪い系ホラー【完結】
呪いマニアの正体⑧
”うん!奈緒子さん、ナイスJOBだ。ここで一気にお母さんから聞き出さないと…。この後が核心になる…”
和田は母親の”次”に注目した。
「則人はほどなくして会社を辞めて、コンビニのアルバイトを始めましたが、それ以外はおそらく人を呪う…、何て言うんですか、研究とか鍛錬とか…、もうそのことばかりに没頭していたようです。私にも、自殺の1年前くらいには、せっかく人を呪う力を上達させてきたんだから、”てっぺん”を目指すと宣言して…」
「…」
「さすがに私も、そんな大それたこと絶対やめなさいと、そりゃあ、真剣に諭し差としましたよ。でも、あの子はニコニコして、”お母さんには何もしてやれなくてゴメンね。でも、罪になって捕まるようなことはしないから”って…。意味深げな言い回しで、いつも煙に巻かれてました。あの時にはもう、”決断”していたんでしょうね。ふう…」
「…」
「…”その兆し”も今思えば思い当たるんですよ。その当時はしょっちゅう、中学の時A君がケカしたとか、B君が病気になって手術したとかって過去の出来事を思いだしたように持ちだしては、実はその子たちに恨み持ってたからと思いだしたように話してました。でも、自分が念じたからだとかは、一度も口にしなかったんです」
ここで和田と奈緒子脳裏に浮かんだもの…。
それは、”母親への気遣い”という言葉だった。
***
「…先にお話しちゃうと、則人は私に内緒で私を受け取り人にした生命保険に加入してて、残された遺書で初めて知りましてねえ。私にはあの子が死んで合計8000万円が手元に入り、まあ、生活には困らない状態になってます。最も、自殺者が出た家など売れないので、その辺もあの子は考えてのことだろうと思うのですが…」
「お母さん…、その保険金、自殺でも降りたということなら、則人さんが加入したのはかなり以前ってことでしたか?」
「いえ…、8000万のうち、6500万は死んだ3年ちょっと前の加入でした」
”これは…!開けずの手紙を丸島経由でこの世に放つ実行時期は、自殺では保険金が下りない加入3年以内をクリアした直後まで待っていたってことになるのか…?であれば、ヤツがかなり以前から呪いの連鎖を引き起こ術を会得していたことになる…”
和田はそう推測にいたり、全身に鳥肌がたっていた。
”うん!奈緒子さん、ナイスJOBだ。ここで一気にお母さんから聞き出さないと…。この後が核心になる…”
和田は母親の”次”に注目した。
「則人はほどなくして会社を辞めて、コンビニのアルバイトを始めましたが、それ以外はおそらく人を呪う…、何て言うんですか、研究とか鍛錬とか…、もうそのことばかりに没頭していたようです。私にも、自殺の1年前くらいには、せっかく人を呪う力を上達させてきたんだから、”てっぺん”を目指すと宣言して…」
「…」
「さすがに私も、そんな大それたこと絶対やめなさいと、そりゃあ、真剣に諭し差としましたよ。でも、あの子はニコニコして、”お母さんには何もしてやれなくてゴメンね。でも、罪になって捕まるようなことはしないから”って…。意味深げな言い回しで、いつも煙に巻かれてました。あの時にはもう、”決断”していたんでしょうね。ふう…」
「…」
「…”その兆し”も今思えば思い当たるんですよ。その当時はしょっちゅう、中学の時A君がケカしたとか、B君が病気になって手術したとかって過去の出来事を思いだしたように持ちだしては、実はその子たちに恨み持ってたからと思いだしたように話してました。でも、自分が念じたからだとかは、一度も口にしなかったんです」
ここで和田と奈緒子脳裏に浮かんだもの…。
それは、”母親への気遣い”という言葉だった。
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「…先にお話しちゃうと、則人は私に内緒で私を受け取り人にした生命保険に加入してて、残された遺書で初めて知りましてねえ。私にはあの子が死んで合計8000万円が手元に入り、まあ、生活には困らない状態になってます。最も、自殺者が出た家など売れないので、その辺もあの子は考えてのことだろうと思うのですが…」
「お母さん…、その保険金、自殺でも降りたということなら、則人さんが加入したのはかなり以前ってことでしたか?」
「いえ…、8000万のうち、6500万は死んだ3年ちょっと前の加入でした」
”これは…!開けずの手紙を丸島経由でこの世に放つ実行時期は、自殺では保険金が下りない加入3年以内をクリアした直後まで待っていたってことになるのか…?であれば、ヤツがかなり以前から呪いの連鎖を引き起こ術を会得していたことになる…”
和田はそう推測にいたり、全身に鳥肌がたっていた。