開けずの手紙ー完全版ー/長編呪い系ホラー【完結】
施術始まる‼
その1
”くびれ柳の木”の根元の掘削と、浄化祈祷の実行日は日曜夜8時と決した。
その前々日…、和田と国上は柳の木が植わっている木島則人の母校の校庭に赴いていた。
午後3時過ぎの放課後ということで、校庭には部活動などで、人が多数交錯しているおり、外部からの人間もほぼノーチェックだったの、二人は堂々と柳の枝を前にしていた。
「どうですか、国上さん…、”こいつ”は?」
「なんともですね、やはり…。はっきり言って、気が内包されています。間違いなく木島の念じ込んだものでしょう」
「ふう…、自分も実際には初めて見るが、何とも異様だなあ…。上部のくびれは人間の首だし、柳の枝葉は女性の髪の毛。その影になってるとこには目玉が光ってて口もあるって、そんな想像を自然にしてしまう…」
「和田さん、この柳はもともと霊的な波動を取り込みやすい、言わばいわくものですよ。木島はこの高校に在学中から、”使える”とチェックしていたはずだ。おそらくその類は他にも…。なのに、彼が言う”一世一代の呪い計画”での、メインスポットをこの柳に選んだということは、”それなり”ということでしょう」
「…」
和田は、くびれ柳の最上部を見上げている国上をじっと見つめていたが、何も言葉が出せなかった。
というより、今の彼の言わんとすべきことが120%伝わってきて、その意味の及ぼすことへ自然と思考が行ってしまったようだ。
***
「そうであれば国上さん、ここを浄化できれば、ヤツの負のエネルギーの全部とは言えないまでも、今の呪いの拠点を攻略した事になるんですね?」
「まあ、そういうことになります。まずはそこです。我々の目指す目線は。その延長で三浦さんを助け出すことができる訳ですから」
「はい…」
この後、国上は根元に目線を落としながら、くびれ柳をゆっくりと一周した。
”要は、木島の埋めたブツ…、実際にはカプセルか…。そいつがどこに埋まっているかだ”
程なく国上は地点に戻り、根元の有る一点をしばらく凝視していたあと、今度はその場で腰を落とした。
そして、右手で根と土を撫でるようにいじっている…。
”ひょっとして、国上さんは見当をつけたのかも知れない…”
こう胸の中でつぶやくと、和田も国上の隣へしゃがみこんだ。
”くびれ柳の木”の根元の掘削と、浄化祈祷の実行日は日曜夜8時と決した。
その前々日…、和田と国上は柳の木が植わっている木島則人の母校の校庭に赴いていた。
午後3時過ぎの放課後ということで、校庭には部活動などで、人が多数交錯しているおり、外部からの人間もほぼノーチェックだったの、二人は堂々と柳の枝を前にしていた。
「どうですか、国上さん…、”こいつ”は?」
「なんともですね、やはり…。はっきり言って、気が内包されています。間違いなく木島の念じ込んだものでしょう」
「ふう…、自分も実際には初めて見るが、何とも異様だなあ…。上部のくびれは人間の首だし、柳の枝葉は女性の髪の毛。その影になってるとこには目玉が光ってて口もあるって、そんな想像を自然にしてしまう…」
「和田さん、この柳はもともと霊的な波動を取り込みやすい、言わばいわくものですよ。木島はこの高校に在学中から、”使える”とチェックしていたはずだ。おそらくその類は他にも…。なのに、彼が言う”一世一代の呪い計画”での、メインスポットをこの柳に選んだということは、”それなり”ということでしょう」
「…」
和田は、くびれ柳の最上部を見上げている国上をじっと見つめていたが、何も言葉が出せなかった。
というより、今の彼の言わんとすべきことが120%伝わってきて、その意味の及ぼすことへ自然と思考が行ってしまったようだ。
***
「そうであれば国上さん、ここを浄化できれば、ヤツの負のエネルギーの全部とは言えないまでも、今の呪いの拠点を攻略した事になるんですね?」
「まあ、そういうことになります。まずはそこです。我々の目指す目線は。その延長で三浦さんを助け出すことができる訳ですから」
「はい…」
この後、国上は根元に目線を落としながら、くびれ柳をゆっくりと一周した。
”要は、木島の埋めたブツ…、実際にはカプセルか…。そいつがどこに埋まっているかだ”
程なく国上は地点に戻り、根元の有る一点をしばらく凝視していたあと、今度はその場で腰を落とした。
そして、右手で根と土を撫でるようにいじっている…。
”ひょっとして、国上さんは見当をつけたのかも知れない…”
こう胸の中でつぶやくと、和田も国上の隣へしゃがみこんだ。