光の中の闇と闇の中の光
痛み

お母さん

ねぇお母さん。


どうしてそんな泣きそうな顔するの?


どうして荷物をまとめてるの?


ねぇ、どうしてバイバイって言うの?


まだ幼かった私には、母がどうしてそんなことをするのか分からなかった。


しかし母が居なくなってからしばらくたったら新しいお母さんだと名乗る女の人が来た。


そのときに私は悟った。


もうお母さんは居ないのだと。


戻ってこないのだと。


しかも、お父さんはそのときから私のことをテキトウにあしらうようになった。


そしてお父さんは新しく来たお母さんの連れ子を可愛がるようになった。


その子は私と同い年の女の子で名前はらん。


しかもお父さんの実の子だと言う。


お父さんがそんなに前からお母さんを裏切っていたのだと知って、悲しかったし、辛かったし、怒鳴ろうかとすら思った。


でも、私はお父さんに怒鳴れるほど気が強くなかった。


その日から私は継母と一歳年下の妹の言いなりになった。





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