光の中の闇と闇の中の光

ありがとう

井龍様がそう言ってくれて私は嬉しかった。


(でも、迷惑をかけるわけにはいかない。)


「お断りします。
迷惑をかけるわけにはいきません。」


そう言うとみんな揃って目を見開いた。


「本気か?」


「私が死ねばすべて丸く収まります。」


「ねぇ」


そう言った井龍様の声は聞いたこともないほど怒りに満ちていた。


「なんでそんなことを言うの?
そんなに僕が情けない?
次にそんなことを言ったら死ねないようにするよ。」


「冗談だよ」


「でも、怒っているのは本当。
絶対に僕が助けてあげる。」


嬉しかった。


ウソだとしても嬉しかった。


「今日から僕の屋敷に住んでね。」


爆弾発言過ぎて何を言っているのか一瞬分からなかった。


「えっ」


「理由は僕が考えておくから。」


そういう経緯で一緒に住むことになった。


(普通あり得なくないか?)


いくらなんでも無いと思っていた。


「思ったよりアホだったの?」ぼそっ


「聞こえてるよ(^^;)))」


「あっ、すみません…」


「いや、お前もアホだろ。」


てへっ


誰だこれ...
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