光の中の闇と闇の中の光

井龍様

「井龍様、華咲すみれを連れてきました。」


「そっか、ありがとう。」


斉鳩さんが井龍様に呼びかけると嬉しそうに井龍様が返事をした。


(私が来ただけでそんなに嬉しそうにしてくれるなんていい人だな)


チラッと斉鳩さんの方を見ると、何やら苦笑いをしていた。


(どうしたんだろう)


「あの、これからよろしくお願いします!」


初対面が大事!だと思ってめちゃくちゃ堅苦しい挨拶をした。(我ながらそう思う)


「そんなに堅くならなくていいよ。これからはここが家だと思ってリラックスしてね。」


「いやいやいやいや無理でしょ!!」


無茶苦茶ゆうな!って言いたいけど...


そんな幸せそうな顔されたら何も言えなくなるよ。


ん?でもなんで井龍様私にめちゃ優しいんだろう。


あれ?彼女は?


井龍様ほどの人に彼女の一人や二人はいるはず...


二人はダメか。


「あの~。彼女さんってこのことご存じですか?」


「え?彼女?えーと付き合ってる人のことかな?」


「それ以外あります?彼女さんに申し訳ないのでやっぱ帰ります!」


「ダメ。ていうか何で彼女いるの決定なの?」


「え?いるでしょう。井龍様ほどの人に彼女いなかったらこの世に彼女いる人いないと思いますけど。」


「wwwごめんね。いないんだよねー。彼女」


「ん?マジですか⁈うそ~~~」


「うん。いない」


マジですか...


「だから、安心してね~」


ん?前も聞いたような...


もしかしたら口癖なのかな?
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