光の中の闇と闇の中の光

らん







ガシャンッ


「お姉ちゃんってば料理もロクに作れないの?」


毎朝恒例になったらんの金切り声。


自分もロクに作れないのに私の作った料理がマズイと言って床に料理をぶちまけていた。


でも私は反論するようなことはしない。


もし反論したらお母さんに殴られる。


反論しなくても虫の居所が悪ければ殴られるのだから。


「申し訳ありません」


もう何年もこんな調子。


あの日から私は使用人以下の存在に成り下がった。


殴る蹴るは日常茶飯事。


なければ運が良かったと喜ぶ。


(あぁ私はこんな日々を続けて行くのかな。)


らんは愛される〝イイコ″で私はいらない〝ワルイコ″。


そして、小学校でもその差は顕著に現れていた。


らんは〝天使″で私は〝悪女″


私はなんのために生きてるんだろう。


私が死んだらお父さんは悲しんでくれるだろうか。


死ぬのも悪くないかもしれない。


ふふふっ


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