光の中の闇と闇の中の光

突撃！

そんな訳でお母さんに事情を話して、井龍様が助けてくれることになった。


話す必要はないと思ったけど、井龍様がそれじゃ物足りないらしい。


ご立腹な井龍様はすっごく黒い笑顔で「お話ししようねぇ」って言ってた。ww


そんな訳で今、家に向かっています。


「着いたよ。」


「「ありがとうございます。」」


ピンポーン


「なんですか？」


めちゃくちゃ不機嫌な顔をしたお母さんが出てきた。


「お母さん」


らんが声をかけると、お母さんはぶちぎれた。


「どこ行ってたの⁉しかも、すみれまでいるし！まさか、ばらそうなんて考えてないでしょうね!!」


「こんにちは。らんさんとすみれさんのお母さんですよね？」


井龍様が人当たりのよさそうな笑顔でお母さんにそう聞いた。


「そうですけど。部外者はかかわらないでください。」


「僕はお二人と同じ学校に在籍している、井龍冬人といいます。」


「いりゅう？えっ、まさか井龍様ですか？」


「そうですよ？」


「申し訳ございません！さ、先ほどは無礼な態度をとってしまい。」


全く分からない会話が繰り広げられている。


「今日は、少しお話があるのですが。良いですよね？」


「は、はい。」



家に入って話が始まる。


「今日は、すみれさんとらんさんへの対応についてお話ししたいのですが。」


「は、はい。」


「僕は、すみれさんを引き取らせていただきたいと考えています。」


「え」


「でも、らんさんも保護する必要があると思いましたので、二人とも、預からせていただきます。」


「え、いやしかし。すみれはいいですけど、らんは...」


「すみれさんをいじめるように、らんさんに言っていたんですよね？」


「なんで、そんなことを」


「らんさんが話してくれました。虐めなければ、殴ったり、暴言を吐いたりしたと。」


「そんなことはしていません！」


「私はらんを愛しているんです！親子を引き離すようなことはやめてください。」


口を開けばらん。らん。らん。


どんだけらんが好きなのよ。


ほんとに私のことはどうでもいいんだ…