光の中の闇と闇の中の光

名前

「告白してもらえるとは思わなかったな。お兄ちゃんって呼びたいって言われたから、異性として見られてないのかと思った~」


「うっ。申し訳ないです。私も後から気付いて、昨日から悶絶してたんです。」


ほんとに申し訳ない...


「井龍様にオッケーしてもらえるとは思ってなかったので、私もビックリしました。」


「...」


「井龍様?」


「...その、井龍様っていうのやめて?恋人になったのに...」


何故か悲しそうな顔をされている。


でも、井龍様以外なんて呼べばいいんだろう。


「じゃあ、井龍先輩?」


「名前で呼んで。」


「僕もすみれさんって呼んでるでしょ?」


「うっ。図星です。」


「名前」


「冬人様?」


「呼び捨て。」


「井龍様もさんって呼んでるじゃないですか。」


「じゃあ、すみれ。呼び捨てで呼んで。」


「え~...冬人......」


「やった~!」パァァ


こんなに喜ばれたらこうするしかないよね。


滅茶苦茶恐れ多すぎるけど。


こんな私でいいんだろうか。


不安しかない。
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