鈍くてかわいい私の親友。
そもそも学級委員長なんてただの雑用係なのよ…。
今も先生に「委員長任せた!」なんて言われて、授業の資料を運ばされてる。
ほんと最悪。
「あの、春日井さん。良かったらわたしにも手伝わせて」
この時話しかけてきたのが、白凪咲玖。
後の私の親友となる存在。
これが咲玖との初めての会話だった。
「白凪さん…」
「一人じゃ大変でしょ?」
はっきり言って、私の咲玖の第一印象はあまり良くなかった。
どことなく姉に似ていたから。
咲玖はぶりっ子ではないけど、いつもかわいらしい格好をしていて純朴な美少女という雰囲気が、いかにも女子!って感じで苦手だと思ってた。
こんな風に手伝いを申し出るのも、いい子ちゃんアピールじゃないの?って思ってしまう。
それくらいに私は冷めていた。
「…大丈夫、一人で出来るわ」
「でも!二人でやったほうが早いよ!」
だけど、咲玖は見かけによらず強引で。
私が持っている資料を半分奪った。
「あっ、ちょっと」
「大丈夫!こう見えて重いもの持つの得意なの!」
重いものを持つのが得意ってどういうことかしら?
しかも得意なんて言ってるけど、明らかにグラグラしてるじゃない…。
「わあっ!」
案の定。何かに蹴躓いて転びそうになった咲玖。
「危ない」