鈍くてかわいい私の親友。


「そうかしら…?」
「うん!」
「ところでこの猫、ぶちゃいくね」
「えー?かわいいと思ったんだけどなぁ」


かわいいものが好きなくせに、かわいいのセンスがちょっとズレてるところも面白いと思った。
あんなに女同士なんてめんどくさいと思っていたのに、咲玖といるのは楽しいし、気楽だと思ってる自分がいる。

咲玖はかわいい。
着飾るかわいさもあるけど、中身はまったく飾っていない素直さがかわいい。
私は心からそう思った。

だけど、そう思わない連中もいた。


「咲玖ちゃんってぶりっ子だよね〜」
「わかる。男好きってゆうかさぁ」


……女のこういうところが嫌い。
醜い嫉妬で好き勝手言い放題。

何もわかってないくせに。

あんたたちは、九竜に溺愛されてる咲玖が気に入らないだけでしょう?
咲玖を僻んだって九竜が振り向くことなんてあり得ないのに。
ほんっとにくだらない。


「桃乃ちゃんって、なんで咲玖ちゃんと仲良いの?」
「確かに。タイプ全然違うのにね」
「桃乃ちゃんって、咲玖ちゃんみたいな子嫌いだと思ってたんだけどなー」

「私が嫌いなのは、あんたたちみたいに平気で陰口叩く人よ」

「っ!桃乃ちゃん……」

「言いたいことがあるなら、面と向かって言えば?」


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