隠れ御曹司の愛に絡めとられて

あなたの名前


――翌日の日曜日。

朝からメッセージの着信音でたたき起こされた。

誰からのものか分かりすぎるほど分かっているから、私は不機嫌MAX状態……。


うるさい、うるさすぎる。

音を切って、バイブだけにする。

ブルブルとバイブするのも鬱陶しいけれど、音が鳴り続けるよりもずっとマシ。

内容は絶対に既読にしない。

何度か電話もかかってきたけど、絶対に出ない。


結局この日はメッセージと通話の着信履歴が合計で数十件あった。

他の人からの連絡が混ざっていないかどうかを慎重に確認して、寝る前にばっさりと全消去。

はあ、と大きなため息を吐き出して、就寝した――。



――月曜日。

当然のように朝からメッセージ攻撃。

あーうるさい、着信拒否にしたい気持ちが込み上げるけれど、とりあえず今は完全無視を決め込む。

そのうち諦めるだろう。

……と言うか、今すぐ諦めて欲しい。


仕事中は音もバイブも切っていて完全な消音モードだけど、昼休みは昼食を後輩の若月ちゃんと交代にとることになっていて、何か急用がある時のためにバイブのみのマナーモードにしている。

そのせいで、昼休み中ずっと私のポケットの中でブルブルしっぱなしだった。

肩に当てたら肩こりがラクになるかな、なんて思ってしまうぐらい、ずっと振動しっぱなしで……。

おかげで電池の減りが早くて、キレそう――電池も、私も。

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