隠れ御曹司の愛に絡めとられて
――あれ? ここどこ……?

白くて高い天井に見覚えがあって、ドキリと心臓が鳴る。

待って、これ、二度目……? それとも、夢……? どっち……?


焦りながら辺りを見回す。

どうやら夢ではないみたいだ。

部屋の中に人の気配はなくて、とても広いベッドには私だけが寝そべっている状態。

もしかしてまた下着だけ……? と思ったけど、どうやら今日は何かを着ているらしい。


……て言うか待っていま何時!?

慌てて部屋の時計を見ると、時計の針は7時をとっくに過ぎた時刻を示していた。

遮光カーテンから漏れる光から判断して、朝に違いない。

朝の、7時……!?

確か今日は平日のはず……、会社に行かなきゃ!!

慌てて跳ね起きる。


着て寝ていたスーツでも裸でもないものの正体は、シルクのパジャマ。

わー肌触り最高~!

なんて暢気なことをやってる場合ではない。

一度自宅へ帰るのはもう無理で、昨日の服で出社することが確定した。

私の昨日の服を誰も覚えていませんように、と願いながら昨晩まで着ていたはずのスーツを探す。

部屋の中には前回同様何も見当たらなくて、もしかしてまたクリーニングに……!?

青ざめながらリビングへと続く扉を開けた。

< 127 / 227 >

この作品をシェア

pagetop