隠れ御曹司の愛に絡めとられて
…………えええっ!?
驚きすぎて一気に覚醒した私は、さきほど感じた自らの違和感の正体にすっかりと気がついてしまった。
あーなるほど、暖かかったのはコレが原因か。
そして、昨日私が着ていたはずのスーツを、着ていない。
ブラウスとストッキングも、ない。
一応下着はつけているようだけど……これってほぼ裸……。
あー、だからなんだか背中がスースーしたんだ……。
そっか、窓の閉め忘れじゃなかったんだ、良かった。
……って、納得なんか出来るはずもないし、良くもない。
それに、よく見ると私を抱き締めて眠る顔の綺麗な男も、服を着ていないみたいだ。
私の肌と男の肌が直に触れて、身体中が密着している。
……えっ、待って待って。
確かに昨夜はちょっと飲み過ぎだった。
だって、あんな状況、飲まなきゃやってられなかったから。
この綺麗な顔の男も、見覚えがある、あの場に確かに一緒にいた。