轍(わだち)〜その恋はお膳立てありき?
「狼犬《ウルハイ》に、わ、私をモデルにしたキャラデザしてもらえるなんて死ねる···」
「大げさな」
「狼犬《ウルハイ》ファンの邪心を舐めてもらっては困りますね。何ならここで切腹でも···」
「いや、清乃に死なれたら、俺が···困る」
「うぉふ」
“落ち着け、落ち着くのだ、清乃。
狼犬《ウルハイ》いや、千紘さんは、イラストレーターもしくはアニメーターの私の支援を求めてるのよ”
この数分で、清乃の脳では処理しきれない、重要かつ激アツな情報がもたらされている。
それよりも、それよりもだ。
目の前に差し出されているこのキャラクター。
「私だけの、私モデルの···いや、違う!この子は私のものではない!全世界の狼犬《ウルハイ》ファンのものなのだ。急いでデフォルメ···違う!先にやるべきことがあるだろうぉぅぉぅ···」
自己完結した清乃は、ガシッとペンを握りしめると、名残惜しげに千紘のパソコンを眺めつつも、フルフルと首を振って自身のパソコン画面に向き合い仕事を始めた。
「そんな清乃に俺は救われてるよ」
「え、何かおっしゃいましたか?」
「いや、今は仕事しよう」
「はい、喜んで!」
浮かれながらも仕事に向き合う清乃と、新しいキャラデサに意欲を見せる千絋は、黙々と滋子の出した課題に取り組むのだった。
「大げさな」
「狼犬《ウルハイ》ファンの邪心を舐めてもらっては困りますね。何ならここで切腹でも···」
「いや、清乃に死なれたら、俺が···困る」
「うぉふ」
“落ち着け、落ち着くのだ、清乃。
狼犬《ウルハイ》いや、千紘さんは、イラストレーターもしくはアニメーターの私の支援を求めてるのよ”
この数分で、清乃の脳では処理しきれない、重要かつ激アツな情報がもたらされている。
それよりも、それよりもだ。
目の前に差し出されているこのキャラクター。
「私だけの、私モデルの···いや、違う!この子は私のものではない!全世界の狼犬《ウルハイ》ファンのものなのだ。急いでデフォルメ···違う!先にやるべきことがあるだろうぉぅぉぅ···」
自己完結した清乃は、ガシッとペンを握りしめると、名残惜しげに千紘のパソコンを眺めつつも、フルフルと首を振って自身のパソコン画面に向き合い仕事を始めた。
「そんな清乃に俺は救われてるよ」
「え、何かおっしゃいましたか?」
「いや、今は仕事しよう」
「はい、喜んで!」
浮かれながらも仕事に向き合う清乃と、新しいキャラデサに意欲を見せる千絋は、黙々と滋子の出した課題に取り組むのだった。