轍(わだち)〜その恋はお膳立てありき?
軌道修正
「滋子、結婚したんだね。おめでとう」
「ありがとう。ついでに村瀬本家と縁が切れて2度美味しい。パーティ嫌いなのに参加してくれた清乃のおかげだよ」
「私は食べて怒ってただけで何もしてない」
「あのオッサンの気持ちを逆撫でして、欲しい言葉を言わせるのが目的だったから十分な働きだったわ。騙し討のようになってゴメンね」
「いいよ、それが滋子だもん」
「それな」
パーティもお開きとなり、案内されたのは会場となっていたホテルの一室。
清乃がいるこの場所は、忘れたくても忘れられない想い出のあの場所。
数日前に千紘との宿泊に相成ったあのスイートルームの一室だ。
「ここ、実家の系列でしょ?あんなこと言ったあとでアウェイじゃないの?」
「ここは私の母親がオーナーのホテルなの。だからアウェイなのはあの男よ」
ソファに寝そべる滋子はリラックスムードだ。
渡瀬と千紘は、ホテルに備え付けとなっている温泉大浴場に行っており不在。
というわけで、今は滋子と女二人水入らずである。
てか、何度かこのホテルを仕事で利用したことのある清乃だが、こんな高級ホテルにも温泉大浴場ってあったのね···と、その存在すら知らなかった自分にほんの少し呆れている現状である。
「ところで、映二社長って滋子のパパなのに縁を切ってもいいの?」
「間違いなく私の父親ではあるけど長男とは母親が違うんだ。格下の系列から娶った後妻だから血統としては不服みたいだしいいの」
「へえ、そうだったんだね」
腹違いの兄妹なんて、こちらも小説やドラマあるあるテンプレだ。
韓流ドラマなんて日常茶飯事で驚きすら生まれない。
「じゃあ、千紘さんに絡んでたのは何で?能力さえも蔑んでたけど、それでも利用価値がある親戚の子とか?」
「私は最初の妻が亡くなった後にあのオッサンが娶った後妻の子供なんだけど、千紘さんは···まあ、本人が自分で言うって言ってたから本人に聞いて」
「うん。わかった」
他人に言いたくない傷を無理に暴こうとは思わない。
清乃はハーゲン○ッツのマカダミアンナッツアイスクリームを食みながら素直に頷いた。
「ありがとう。ついでに村瀬本家と縁が切れて2度美味しい。パーティ嫌いなのに参加してくれた清乃のおかげだよ」
「私は食べて怒ってただけで何もしてない」
「あのオッサンの気持ちを逆撫でして、欲しい言葉を言わせるのが目的だったから十分な働きだったわ。騙し討のようになってゴメンね」
「いいよ、それが滋子だもん」
「それな」
パーティもお開きとなり、案内されたのは会場となっていたホテルの一室。
清乃がいるこの場所は、忘れたくても忘れられない想い出のあの場所。
数日前に千紘との宿泊に相成ったあのスイートルームの一室だ。
「ここ、実家の系列でしょ?あんなこと言ったあとでアウェイじゃないの?」
「ここは私の母親がオーナーのホテルなの。だからアウェイなのはあの男よ」
ソファに寝そべる滋子はリラックスムードだ。
渡瀬と千紘は、ホテルに備え付けとなっている温泉大浴場に行っており不在。
というわけで、今は滋子と女二人水入らずである。
てか、何度かこのホテルを仕事で利用したことのある清乃だが、こんな高級ホテルにも温泉大浴場ってあったのね···と、その存在すら知らなかった自分にほんの少し呆れている現状である。
「ところで、映二社長って滋子のパパなのに縁を切ってもいいの?」
「間違いなく私の父親ではあるけど長男とは母親が違うんだ。格下の系列から娶った後妻だから血統としては不服みたいだしいいの」
「へえ、そうだったんだね」
腹違いの兄妹なんて、こちらも小説やドラマあるあるテンプレだ。
韓流ドラマなんて日常茶飯事で驚きすら生まれない。
「じゃあ、千紘さんに絡んでたのは何で?能力さえも蔑んでたけど、それでも利用価値がある親戚の子とか?」
「私は最初の妻が亡くなった後にあのオッサンが娶った後妻の子供なんだけど、千紘さんは···まあ、本人が自分で言うって言ってたから本人に聞いて」
「うん。わかった」
他人に言いたくない傷を無理に暴こうとは思わない。
清乃はハーゲン○ッツのマカダミアンナッツアイスクリームを食みながら素直に頷いた。