魔王様と秘密のバレンタイン。
*
「魔王様、チョコ、貰ってくださーい!」
2月14日、バレンタインの今日、クラスの女子達は“魔王様” にチョコを渡していた。
“魔王様”というのはあだ名で本名は佐多くん。
佐多が魔王サタンに近いのと、
見た目がクールで魔王っぽいオーラを出したイケメンなことからそう呼ばれるようになった。
そんな彼をわたし、姫石涙花は窓際に立ちながら心陽と一緒に呆れながら見ている。
心陽とは高2で友達になって、今では仲良し。
「魔王様、今年も凄いねー。涙花も渡すの?」
「いや、一度も話した事ないし。テニス部の部長の工藤せんぱいに渡す予定」
心陽にそう答えたものの、不安で仕方ない。
「うっわ、今年もバレンタインチョコ渡すんかよ」
急にウザくてチャラい山田が会話に入ってきた。
「“振られ姫”なんだからさ、もう諦めたら?」
「魔王様、チョコ、貰ってくださーい!」
2月14日、バレンタインの今日、クラスの女子達は“魔王様” にチョコを渡していた。
“魔王様”というのはあだ名で本名は佐多くん。
佐多が魔王サタンに近いのと、
見た目がクールで魔王っぽいオーラを出したイケメンなことからそう呼ばれるようになった。
そんな彼をわたし、姫石涙花は窓際に立ちながら心陽と一緒に呆れながら見ている。
心陽とは高2で友達になって、今では仲良し。
「魔王様、今年も凄いねー。涙花も渡すの?」
「いや、一度も話した事ないし。テニス部の部長の工藤せんぱいに渡す予定」
心陽にそう答えたものの、不安で仕方ない。
「うっわ、今年もバレンタインチョコ渡すんかよ」
急にウザくてチャラい山田が会話に入ってきた。
「“振られ姫”なんだからさ、もう諦めたら?」