素直になれない私たち

「だからってわけじゃないけど、純希先輩とは今くらいの距離感が一番
いいと思ってる」


「そっか」


元カレと今も友好な関係を築いている晴夏のことが羨ましいと思った。
それに比べて私は、2年前に好きだった人と同じクラスになっただけで
動揺して謎の仲良くないアピールをしたり、下の名前で呼びそうになる
のを堪えたり、少しも前向きじゃない。


相変わらず言葉が少ない私を見て、晴夏がさらなる爆弾発言を投下した。


「あのね、私のいろんな『初めて』は全部純希先輩なの」



「!!」



...もう声も出なかった。何となく晴夏はそういう経験があるんじゃないか
とはうっすら思っていたけれど、まさかそんな身近なところにその相手が
いたなんて。


「さてと、これでもうあかりには全部話したよ」


両手で顔を覆って目だけが出ている状態の私に、畳み掛けるように晴夏が
言葉を重ねる。




「翔平とのこと、全部白状しなさい」




...三浦あかり、晴夏の前にまもなく完全降伏。

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