婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました
「ジュリアナ嬢、そう言うことだ。君が騒いだことにより大袈裟になってしまった」
「セリーナ様はそれで満足ですか! 私のことをみんなの前でバカにして!」
「何をおっしゃっていらっしゃるの? イミテーションは令嬢の間でも流行っていますでしょう? あなたのお家のフロス商会の取り扱いではありませんの?」
「……はい」
「流行を作り出せるなんて素晴らしいです。とお伝えくださいませね」
「もう良いわ! 何よ。この茶番、さようなら! 私帰るわ」
立ち上がりバタン! とドアを開け出て行くジュリアナだった。