婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました
「余計な心配はしなくていい。優しいところはセリーナの良いところだけど怒っても良いんだ」
普通に話をするジェフェリーだが、セリーナの顔は見ていない。横に座っているセリーナの顔が見られないから誰も座っていない正面のソファを見ていた。でも些細なセリーナの話し口調を聞き何かを感じ取ったのかも知れない。
「はい。ありがとうございます。ジュリアナ様が明日どの様な様子なのかを見てみます」
「頼むよ。そうだセリーナ、週末は王宮に来るよね?」
この話は一旦終わり。と言った感じで違う話題を切り出すジェフェリー。
「えぇ。参ります、王妃様とお茶をする約束ですの」
「母上から聞いた。私も行くからエスコートさせて欲しい」
「……はい。その、久しぶりですね」