婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました
「緊張して話ができなかっただけだ。もちろん今も緊張しているけど、セリーナと居ると嬉しいと言う気持ちが勝るんだ」
顔を赤くして恥ずかしがるセリーナ。
「気持ちを伝えていないのに振られるのは嫌だから、ちゃんと伝える事にした。私がセリーナの事をどれだけ思っているか知ったらきっと驚くだろうけどね」
「そんな、こと、ないですよ」
きっと嬉しいと思うもの。ジェフェリー様が考えている事を知りたい。
「ふふっ。そうかな? セリーナといると緊張するし、顔をまともに見る事もままならない。でも一緒にいてくれることが嬉しい。ずっとこうして過ごしたかったから、誤解されるくらいなら、気持ちを伝えたいと思った。これが最後のチャンスだと思うから、当たって砕けたくは無いけどね」
そう言って笑うジェフェリー様のお顔は赤くなっていた。