婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました
 そうだわ! クッキーを焼いてサムさんとダニエルさんにお渡ししましょう。当日は販売をして貰わなくてはいけませんものね。どんなクッキーを販売するか実物を見ておいた方がよろしいですわね。



 週明けにいつも通り学園へ行きました。


「サムさん、ダニエルさん、おはようございます。昨日クッキーを作ってみましたの! ……と言っても私は型抜きをしただけですけれども。当日はクッキーとアップルパイを販売しようと思います。宜しかったらご試食してみてくださいな」

 ラッピングをしたクッキーを二人に渡したところ、とても驚いた表情をしています。


「え! セリーナ様がお作りに……」
「光栄です! 僕たちがいただいてもよろしいのですか!」


「もちろんですわ。当日は販売をお願いするのですから、どんなものか知っておいた方が宜しいでしょう?」


「「ありがとうございます!!」」


 お二人とも快く受け取ってくださって安心しました。
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